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土木施工管理技士の経験記述について

建設業で働く工事管理者にとって、最重要な資格となりますが、簡単な様で取得するのに苦労します。


私もそうでしたが、若い頃は現場経験が少ない事から応用が効かないのでしょうね。


資格試験は、一次のマークシート形式の試験に合格すれば、二次の筆記試験となります。


そこで、一次の試験は過去問題を解く練習次第で通過できますが、二次の試験は中々難しいです。


試験の問題範囲が広いこともありますが、現場作業では理解しているつもりですが、いざ文章にすると書けないものです。


特に、経験記述は準備できるのですが、文字数が決められ要約して採点者に現場状況をリアルに理解して頂く必要があります。(良き採点者に当たる運も必要です)


そこで、毎年の様に現場状況から経験記述を準備してと頼まれます。


それでは提案した例文を書いてみます。





品質管理の例文


青文字が試験に問われます。


工事名


発注者名


工事場所


工事の内容 : 現場打開水路工


工期 : 令和3年6月12日~令和4年2月10日


主な工種


施工量
ネットフェンスL=120.0m、水路U700型L=80.0m、張コンクリートA=150.5m2
施工量 導水路H=4.80mL=25.8m、沈砂池H=4.50mL=22.5m、吸水槽H=5.4mL=8.00m


工事現場におけるあなたの立場 :  現場代理人



特に留意した技術的な課題


本工事は、新規に導水路、沈砂池、吸水槽を施工し、田んぼに安定した水量を供給する為 のポンプ施設工事を行うものであった。

工事を行うに当り、特に問題となったことが、現場打開水路工の施工を行う時期が夏期で

あった為、コンクリート構造物に及ぼす悪影響(高温)を防止し、コンクリート構造物の品質を確保することが課題であった。




技術的な課題を解決するために検討した項目とその内容


所要の品質を確保するため次のことを検討した。

1,暑中コンクリートとして、練り混ぜからコンクリート打設完了までの時間1.5時間を考慮した施工を踏まえ、材料運搬経路を確認し現場到着時間及び車輌待機時間、打設時間を割り出し、台数及びプラントとの連絡調整方法について検討した。

2,コンクリート打設時、材料の温度上昇を避けるため、アジテータトラック、コンクリートポンプ車の配置状況を計画し、車輌待機中及びポンプ車荷付け時の材料温度上昇防止について検討した。

3,暑中コンクリートとして、コンクリート打設完了後の養生について、所要の規定を厳守すると共に、他の対策が必要かについて検討した。



技術的な課題に対して現場で行った内容


所要の品質を確保するため、次のことを実施した。

1,コンクリート打設に配置するアジテータトラックは6台周りで行った。又待機時間、打設ピッチ等をコンクリート打設管理表を確認したうえで、プラントと密な連絡をとった。更に交通状況に左右される事も踏まえ、待機車から無線連絡にて確認し、総合的に把握した。

2,材料温度35℃以下を厳守するため、待機車及びポンプ車配置箇所に仮設ブルーシート屋根を設置した。

3,養生は、散水養生とし、常に湿潤状態を確保し、盆休み等を利用して規定7日に対し10日間行った。
又、設計基準強度24N/mm2に達するまで、重機等による振動を与えないように、付近への立入を禁止した。

以上のことを行った結果、所要の品質を確保する事で、完成後に構造物へのクラック等の発生は無かった。





安全管理の例文



特に留意した技術的な課題


本工事は、新規に導水路、沈砂池、吸水槽を施工し、田んぼに安定した水を供給する為のポンプ施設工事を行うものであった。

工事を行うに当り、特に問題となったことが、現場打開水路の直高が3.8mあり、掘削深さが

床付面まで、4.3mある事から、施工途中に起こり得る土砂崩壊防止対策が課題であった。




技術的な課題を解決するために検討した項目とその内容


所要の安全を確保する為、次の事を検討した。

1.掘削はオープンカットで設計法勾配N=1:1.0であるが、事前に施工箇所の土質を確認する為、試掘を行い、設計値の掘削法勾配で施工するか事前に検討を行った。

2.構造物を施工する際、鉄筋工事及び型枠工事を行うが、仮設足場の計画がなされていなかった事より、外部足場の計画及び構造物底面の作業ヤード確保について検討した。

3.構造物施工箇所は、緩んだ地盤である事から、地盤の支持力を確保、又仮排水計画をする
必要があった為、作業ヤード全体の仮設計画を検討した。




技術的な課題に対して現場で行った内容


所要の安全を確保するため、次の事を実施した。

1.現地盤土質は、砂混じりの粘性土であり、降雨等にも問題は無いと判断したが、安全側に掘削法勾配をN=1:1.2とし、更に降雨等による法面浸食を防止する事から、ブルーシートで養生した。

2.構造物施工に当り、外部足場を手摺先行足場を計画する事で、足場幅W=900mm、プラスW=1500mmを確保する為、躯体面からW=2400mm確保した。又湧水等による吸出し防止にフレコンバッグ(1t型)を両サイド法尻に設置した。

3.施工に先立ち、作業ヤード地盤支持力を確保する為、軟弱地盤箇所には、アジャストーンを敷詰め、クレーン等の計画設置場所は、敷鉄板で養生した。

雨水対策として、掘削位置は土で余盛し、端部に土側溝を設けて、雨水の進入を防止した。

以上の事を計画、及び実施したが、懸念された土砂崩壊による事故もなく、安全に施工完了しました。




以上になります


ありがとうございました。