日記ブログ

今日も一日がんばろう

現場は、測量と、墨出しと、片付けが基本


現場作業での失敗例として、測量、墨出し、スケール(メジャー)とかスチールテープ(50.0m)等、長さを測定する作業は、現場作業において、測定しない日はないほど、毎日のように行われています。


この作業こそ、構造物を施工する上で最重要な作業なのですが、結構軽視されがちです。


最近の現場では、かなり温厚になってきているかと思われますが、以前は全く今とは状況が違い、忙しい状況での作業で、まだかと急がされ、余裕がない状況のなか、必死に行うのですが、工期が少ないとか、色々ありますが、なんせ余裕がなく、最確認する時間もない状況があったりしていました。


そのような環境で仕事していると測量、墨出しを間違って頻度は少ないですが、まれに青ざめた現場監督の姿を、30年も業界に居ると、多数見てきました。(かなりのダメージ)


【 そんな状況でも間違いは許されません 】


これから、お話しする内容は、私し個人の考えで、他の作業を批判するものではありません。


私しの作業方法


ここで、作業のフローチャートを示しますと、まず、測量機器(トータルステーション及びレベル・水平を読む)で測定して位置を決めたら、仮にですが、重機作業等により、掘削、床仕上げ、砕石敷均し、砕石転圧、均しコンクリート打設、墨出し(ここでスケール等により作業)鉄筋組立、型枠組立、基礎コンクリート打設、養生、埋戻し、転圧、整地完了と作業は続き、基礎が完了すると柱等の作業に移行しますが、ここまでの作業は、基礎部でスケール等による墨出しした、位置が正しいことが前提ですが、もし墨出しを間違っていればどうでしょう、もしこの時点で、確認する為、基準点からトータルステーションなどの計測器で確認作業をして、間違いに気づけば、それほどのダメージは受けませんが(とりあえず)間違っていたとして、そのまま次工程、柱鉄筋圧接、鉄筋組立、外部内部足場組立、型枠組立、スラブ型枠支保工、梁型枠組立、梁・スラブ鉄筋組立と作業が続き、ダメ押しの1階柱、梁、スラブとコンクリート打設して養生。


さて、2階の床墨出し作業を行ったとき、新たに測量して墨出しした時、例えば10.0cm現況と合わなかったらどうしますかね。


それはそれは、青ざめますよね。


ここからは、私のこれまで、こだわって実行してきた対処法を紹介していきます。


1mmなんて、ただの誤差


さて、なんのことかと、思われているかと思いますが、先ず5.5m使用のスケールの仕組みから紹介していきます。





①下記写真を見てください


注目して頂きたいのは、先ず赤矢印の固定位置の隙間です。(遊び幅約1mm)
メジャー先端の金物は可動式になっています。この状態は、押しつけられた状態だと思ってください。
つまり、計測0地点は、青矢印の位置、つまり金物の最外側となります。
この状態で計測すると誤差は限りなくありますが、ほぼ10cmを計測できます。
お手元にメジャーがありましたら確認して見てください。
印をつけて、他の定規等で図ってみればアーラ不思議、いいねー間違いなし。


次に②の写真


注目して頂きたいのは、赤矢印の位置、この位置は、メジャー先端の金物が引っ張られた状態です。
上記①の写真とは違い青矢印位置(先端金物最内側)で計測すると約10cmを計測することができます。


構造物等の出隅部分に引っ掛けて計測、この計測は一人で計測する場面で見られますよね。



次の写真は現場でよく見る計測ですが10cmの位置を0地点として計測。



上記写真に示す赤矢印を0としますので、当然読値は10cm長くなりますので、真の値いは読値から-10cmとなるのは当然のことで、大した問題ではないように、思えますよね。



それでは現場における場面を想定してみます。
設計値から位置を出す場合は、設計値に+10cm

柱位置の拡大図

設計・柱寸法640×820


では、現地でどのように墨出しするか


1. 通り芯を墨出しします。(トータルステーションなど)
2. 柱は、通り芯の中心ではないことに注意しましょう。
3. 白色(柱)上側は、通り芯振り分け320mm(通り芯振り分け)均等です。
4.   白色(柱)右側寸法を確認しますと、全体は820mmですが通り芯振り分け240mmと      580mmです。
5. では、メジャー100切り(10cm位置を0とする)で位置出しするとメジャーを読む人は   320mmは、420mm
       240mmは340mm、580mmは680mmでマーキングして墨出しする。


いかがでしょう、急いで作業していれば、+か-か間違う要素がありますよね
下手すると、倍の20cm間違ったりすることもあり得る。


(例)補助役が悪気はないがスケール0を握り、マーキングする人が100切りのつもりで、更に+と-をうっかり間違い、設計値+10cmして位置だし、しなければならないが、急いでいた為、設計値から-10cmしたら+20cmになり得る。(規模が大きい構造物であれば、高確率で間違いに気づかないのが現状)
対処方法は、再度チェックするしか分からないでしょう。でもそんな時、アルアルですが、急ぎの電話が鳴るんですよねー。
後日、確認できればいいのですが?


長々書きましたが、まとめると


人間の心理として、スタートは0とした方が間違わないと思います。100切りしないで0とする。(統一する)


職人さんの考えるmmの仕事は大変素晴らしいことだと私も思いますが、現場を確認すると10cm間違って墨出ししていることが、結構あります。


基本自分で墨出ししますが、手が回らない時はお願いするのが現状です。
皆様どう思いますか、精度のmmを考えるか、間違って10cm違って壊すか私なら、mmの誤差を選ぶでしょう。
また、mmにこだわっても、施工途中の影響で墨の位置は正確でも誤差は生じるものです。


人それぞれの、やり方とは思いますが、私の求めていることは、常にシンプルな作業を推奨しています。
私の言うシンプルとは、考えることを、いかに減らすかです。


間違いを防ぐ方法として今回メジャーを例に取り上げましたが、他にもヒュウマンエラーが関わったことによる間違いは、ただあります。


人間が行うことですので、その日の体調だとか、日中炎天下で同じ作業だとか、常に100切りで行うつもりでも、例えば次の日に、パートナーが変わったとしたら、前日の様に、いかない場面とかも発生しますよね。


相方が、油断して、0を掴んでいたとして、気づけば良いですが、そのまま進んだとしたらどうでしょうか。


最後に施工状況写真です。